日本人の多くが利用する進学の定番「パスウェイ・プログラム」について、マイルストーンカナダの知識・経験から解説します。
パスウェイとは?
通常の進学の流れ
留学生がカナダのカレッジ・大学へ進学するには、一般的に以下の条件を満たす必要があります。
- 英語力
- 学歴
- 成績証明
このうち「学歴」は高校を卒業していれば自動的にクリアです(英文の卒業証明は入手が必要です)。「成績証明」は学校・学科によりけりで、必ずしも必要という訳ではありません。(高校で特定の単位を取得しているか、GPAが条件を満たしているかの判断に利用される場合があります)
従って日本人にとって進学の最大の壁は「英語力」となり、実質的に進学する=英語力条件をクリアするという図式が成り立っています。英語力の評価方法は通常TOEFLやIELTS、または学校が用意する判定テストのスコアで判断されます。
パスウェイの特徴と仕組み
パスウェイ・プログラムは簡単に言えば進学条件を満たすための語学コースです。一番の特徴はコースを修了すれば英語スコアの提示が免除される点です。また英語条件クリアだけでなく「トレーニング」の意味合いもあり、進学後のハードな授業についていくためのアカデミックスキルも鍛えられます。
進学までの流れは以下のようなイメージです。パスウェイ自体も入学条件があり、満たなければ事前に一般英語コースへ通います。
TOEFLなどのテストを受ける必要が無い
【入学条件】一般的に上級の英語力が求められます。満たない場合は一般ESLコースからスタートします。
【特徴】コースを修了すると、提携するカレッジ・大学へ英語テスト免除で進学出来る。
【期間】最短数ヶ月から長くて一年程度。現在の英語力、進学先の学校・学科によって異なります。
進学の壁である「英語テスト」が免除されるのは大きな魅力ですが、その結果進学後の準備に時間を費やせる、という点もパスウェイの大きなメリットです。
パスウェイを使う理由
1)進学時の英語テストが免除
2)進学後の勉強についていくトレーニングが出来る
3)進路の相談、進学手続きのサポートを受けられる
※なお、カレッジ・大学自体が運営する付属コースも通常はパスウェイの役割を担っています。両者のパスウェイの大きな違いは、付属の場合は進路が一択なのに対し、私立ESLのパスウェイは複数のカレッジ・大学と提携があり選択肢が多い事や、プログラムの柔軟性、価格が抑えめ、と言った点があげられます。
ここは抑えたい!重要ポイント
パスウェイ自体も入学条件が高い
パスウェイの入学条件は高く、通常その学校のAdvancedレベルでないと入学出来ません。従ってパスウェイに入るまで何ヶ月も一般英語コースで学ぶ人や、パスウェイ自体も数ヶ月~半年かかるケースもゼロではありません。まずは英語力そのものをしっかり底上げしておく事が何よりも大切です。
決してラクなコースではない
「パスウェイを卒業すれば進学出来る」という強力な特権から考えれば当然ですが、学習内容も決して簡単ではありません。出席率やアサインメントも厳しく評価され、規定の成績を収め続ける必要があります。更にその学校の最上位レベルを終えないと進学できないケースもあります。規定の成績に満たず通学期間が想定より伸びる事もよくある話ですから、「パスウェイ卒業」と「進学」のインターバルは余裕もって見積もるのが肝要です。
サポート体制
パスウェイプログラムがある学校には、必ず進学のサポートをするチームやアドバイザーがいます。(専門スタッフではなくカウンセラーが兼任する場合も多い)また学校によって日本人スタッフがいる場合もあれば居ない場合もあります。つまり学校によっては進学の相談が英語になる場合もあります。
進学先選びや手続きが不安な人には頼りになる存在ですから、サポート体制を事前に知っておくと安心です。なおマイルストーンカナダが直接提携するカレッジ・大学へ進学される場合は、パスウェイを経由した場合でも私達が進学手続きを日本語でお手伝いします。つまり学校とのダブルサポートですので是非ご活用下さい。
進学条件をチェック
進学先の学校や学科によってパスウェイの卒業条件は異なります。例えば納める成績や卒業時のレベルが学校毎に設定されています。事前にパスウェイ卒業の条件やその後の手続きをイメージ出来ると安心です。
なおカレッジ・大学によっては、パスウェイに入学した時点で条件付入学許可証(CLOA:Conditional Letter of Acceptance)を取得出来る場合があります。これを取得すると進学がほぼ約束されるため(パスウェイを規定通り卒業する前提)、計画が非常にたてやすくなります。
ただCLOAを出さない進学先も多く、この場合パスウェイを終えるまで願書が出せません。言い換えればギリギリまで進学が確定出来ない事になります(通常このケースの方が多いです)。
パスウェイ選びの前に「進学先」選び
進学出来るカレッジ・大学はパスウェイによって異なるため、まず「どこへ進学したいか」を決めないとどこのパスウェイが向いているか、そもそも判断が出来ません。逆に進学先が決まっていなければ、提携校の多いパスウェイだと選択肢が多いため好ましい、と言えるかもしれません。
またパスウエイによってどこの州に強いか・弱いかも異なります。(例えばON州ならESCやSGICが強い)
また競争率が高い進学先は、パスウェイを卒業しても満席で願書が出せないケースもあります。一年後のセメスターも既に満席・・という事すらよくありますので、第一希望が倍率が高い場合別の大学に併願する事もよくあります。弊社はパスウェイだけでなく、カレッジ・大学の相談も出来ますので、進学先とパスウェイの組み合わせをしっかり検討されたい場合、両方を熟知したマイルストーンカナダのカウンセリングチームに是非お任せ下さい。
パスウェイで行けない大学・カレッジもある
公立カレッジの多くは語学学校とパスウェイ提携をしていますが、提携がない・少ないカレッジもあります。例えばBC州ならLangara Collegeはパスウェイ提携が無く、付属の英語コースLEAPを履修しないといけません。4年制大学もパスウェイを持たない学校が多い傾向です。
また提携先が少ない学校としてはVancouver Community CollegeはILACとILSCの2校としか提携が無かったり、BCITもKaplanやVGCといった一部の学校としか提携がありません。
テスト勉強は本当に不要?
英語試験を免除されて進学・・と言っても、本当に英語テスト(TOEFLやIELTS)の勉強は不要でしょうか?実は完全にそうではありません。
パスウェイプログラムでは、学生のレベル評価のため頻繁に小テストやターム毎のテストを実施しますが、その際のテストが実はTOEFLやIELTSをベースにしたものとなっています。このような仕組みがあるからこそ、大学・カレッジが外部に英語力評価を委託する事が出来るのです。
TOEFLまたはIELTSどちらかをベースにする学校が殆どですが、どちらを利用しているかは学校により異なります。例えばILACはTOEFL、ESCはIELTSを利用しています(2023年7月時点)。テストの仕組みなどは学校資料からすぐわかりませんので、気になる方はマイルストーンカナダまでお問い合わせ下さい。
最大の恩恵はテスト免除ではない
パスウェイのメリットとして「進学時の英語スコア免除」に注目が集まりますが、本来「進学するため」の手段ではなく「進学した後」に必要な力を身につける事がパスウェイの目的とする部分です。
大学・カレッジの授業についてゆくにはディスカッション、プレゼンテーションに加え、エッセイ(ライティング)能力が必須で、単に英語力があれば良いといものではありません。また日本人が弱いグループワークも多いのが北米の特徴です。パスウェイではこれらを繰り返する事で、授業についていくためのトレーニングが出来ます。
このように、いわゆる入試対策の英語力だけでは不十分ですから、入学後に求められる作業の取り組み方もしっかり身につけられるのがパスウェイの真骨頂です。
またパスウェイは進学が一人の戦いではなくなります。目標を共有するクラスメイトと一緒に学びますから、試験対策を孤独に進めるだけでは得られない精神的なサポートがあるでしょう。進学カウンセラーからのアドバイスも心強いものです。
パスウェイおすすめ校
ILAC(アイラック)
キャンパス
バンクーバー、トロント
パスウェイプログラム
- Academic Pathway Course
参考授業料
- $7,440(24週間受講の場合)
提携校の数と情報の多さでおすすめ
Pre-Advanced からHigh-Advanced まで8つのレベルがあり、カレッジからマスター(大学院)まで目指すことも可能です。各レベルが4週間コースで構成されています。

ILACのパスウェイを動画で詳しく解説!
SGIC(エスジーアイシー)
キャンパス
バンクーバー、トロント
パスウェイプログラム
- UCPP(大学カレッジ進学パスウェイプログラム) (12週間コース)
- PPP(パスウェイ準備プログラム)
参考授業料
- UCPP (12週間受講の場合)$5,450
- PPP (4週間受講の場合)$1,875
進学・キャリアにつながる英語を真剣に学べる
進学専門カウンセラーから提供される情報も充実しているため、カナダのカレッジや大学進学に向けてしっかりとしたサポートを受けることができます。進学までの英語力アップだけでなく、進学後に必要となるスキルとして論文の書き方、ノートテイキング、意訳・要約、グループで行うプレゼンテーションなどを学ぶ機会ともなります。

SGICのパスウェイUCPPを動画で詳しく解説!
ILSC(アイエルエスシー)
キャンパス
バンクーバー、トロント、モントリオール
パスウェイプログラム
- University Pathway Program(Upath)
参考授業料
- $3,280(8週間受講の場合)
カナダ以外、米国やオーストラリアなども含め提携校多数
提携校が多いため、進学先は通学しながら専門のコーディネーターと相談して決めることもできます。また進学手続きサポートを受けられます。

ILSCのパスウェイ「Upath」を動画で詳しく解説!
その他パスウェイプログラムを提供する学校
上記おすすめ校以外にも、パスウェイ提供校はたくさんあります。
詳しくはこちらのパスウェイ提供校一覧、または弊社へ直接お問い合わせください。
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日本人担当者より追ってお返事させていただきます。