カナダ公立カレッジの入学手続きについて解説します。カナダのカレッジ・大学一覧はこちらをご覧下さい。
公立カレッジの入学プロセス
1)必要書類を揃える
カナダのカレッジ進学は、日本のようないわゆる「受験」はありません。かわりに以下3,4種類の証明書を提出する事で、入学条件を満たしているか審査されます。
①英語力の証明
②高校の卒業証明
③高校の成績証明
④その他(ポートフォリオなど)
①英語力の証明
日本人にとって進学の最大の壁が語学力です。実質的に多くの方はカレッジ進学のハードル=語学条件という場合が殆どです。語学力の証明には大きく3タイプの方法があります。
テストスコア
英語力の評価方法でポピュラーなのはIELTSやTOEFLなどのテストスコアです。一般的にIELTS6.0~6.5/TOEFLiBT78〜88あたりがカレッジの入学条件となっています。またDuolingoを受け入れている学校も多く105~110が条件として設定されます。
TOEICは通常使えませんが、一部カレッジでは利用できる学校もあります。(例:ジョージアンカレッジは本科で利用可能、セネカポリテクニックは付属英語コースで利用可能)
学校のアセスメント試験
カレッジが用意する英語テストで判定する事も出来ます。ただし対面受験が前提のため、直接キャンパスへ行けない日本在住の方が利用する事は通常ありません。
一般的にこのテストは難易度が高く、IELTSなどのスコアがギリギリ足りないという方は活用できる事例もありますが、とりあえず受けてみる、という気持ちで受ける方の殆どはパス出来ないとの事(学校スタッフより)。
英語テスト無しで進学する(パスウェイ)
カレッジの付属英語コース、または提携する語学学校のパスウェイ(進学英語コース)に通うと、テストを受けなくても一定のレベルに達する事で進学条件クリアと見なされます。
なおカレッジ・大学の授業についていける英語力とは、TOEFL等のテストスコアとは全く別物です。初めは授業についていくだけで精いっぱい、というのが留学生の共通の感想です。パスウェイはそんな人に、英語環境で学ぶための予行演習の役割も提供してくれます。つまり進学条件を満たすと言うより、実践的なアカデミック英語を修得して進学後の授業についていく下地を作ることがメインの役割とされます。
英語の自信が無い学生の多くはパスウェイを経由して進学しています。
②卒業証明
カレッジ・大学はPost-secondary、つまり高校を卒業した人が対象の教育機関ですので、高校の卒業証明書(英文または英訳添付)が必須です。学校によっては大検を提出できる場合があるので、取得した方は大検の証明書を提示し、審査をしてもらいます。なお高校以上の学歴(大学など)があっても高校の証明を求められることが通常ですが、学校によって対応は異なります。
③成績証明
足切りとして高校の成績(いわゆるGPA相当のもの)を指定している場合も多く、高校の成績証明を英文で発行して入手します。例えば主要科目において5段階評価の3以上を求めるカレッジが多いです。学部によっては数学などの基礎知識を条件としており、それら単位の取得をあわせて提示する事もあります。
一般的に求められる成績:C+以上/60%以上/5段階評価中3以上など
④その他
上記3点以外にも、アート関連(Fine Art, Peforming Art, VFX/CGなど)の学科ではポートフォリオの提出が求められる事もあります。
2.願書を提出する
出願時期
一般的には入学のおよそ11カ月前頃に願書受付が始まります。(例:9月入学なら前年の10月頃)
ただ実際は学校によりまちまちで、もっと遅い学校もあります。人気学科は願書受付オープンしてすぐ満席になる事が多く「開始時期」を予め知っておく事は極めて重要です。
希望学校の受付時期がわからない方は気軽にマイルストーンカナダへお尋ねください。
競争率が高い学科は?
人気学科はLimited Program、Competitiveといった表記がされている場合があり、この文字を見つけたら警戒しましょう。主に保育・幼児教育、コンピュータープログラミング、Post Graduateプログラム、また近隣のカレッジで開校していないプログラムや年一回しか入学できない学科も早期に定員に達する事があります。
出願方法
弊社が知る限り全ての学校がオンラインで提出します。紙に記入して提出するような願書はありません。提出が必要書類はスキャンしてデータで提出します。
カレッジによっては専用のポータルサイトで書類をアップロードする場合もあれば、オンライン申請後にメールでAdmission宛にメールで書類を送る場合もあります。
出願料
出願料はオンライン出願の際に一緒に支払うのが通常で、クレジットカードで支払います。入学審査の結果に関わらず出願料は返金されません。通常100~150ドル程度です。
結果の通知
合格通知(オファーレター)が届くタイミングは学校によりバラバラで、1~2ヵ月かかる場合もあります。競争率や個人の状況によっても変化します。日本のように、合格発表日といったものはありません。
入学が許可されると学校からオファーレターを受け取り、合格通知とともに入学手続きを進めるよう案内されます。
3.デポジットを支払う
オファーレターを受け取ったら、一定期間内に授業料のデポジット(頭金)を支払います。
支払い期限は一般的には4週間以内が多いですが、短いと2週間以内(例:VCC)もあります。また長い場合は数ヵ月待機してもらえる場合もあります。この期限までに支払いが出来ないとオファーを辞退したとみなされ席が無くなりますので、予めすぐに支払えるよう準備をしておく事が大切です。
デポジット金額は通常1セメスター分の学費相当ですので、8,000~9,000ドルとなる場合が多いです。ただ一年間のみのプログラムや、特殊な選考プログラムは一年分をデポジットとして払うケースもあります。
受け取る書類
デポジットを払い終えると、学校から正式な入学許可証(LOA: Letter of Acceptance)が発行され手続き完了となります。
次のステップである学生ビザ申請では、LOAに加え2024年から州認証レター(PAL: Provincial Attestation Letter)が必要となりましたので、LOAとPALの両方を学校から受け取ります。
4.学生ビザ申請をする
学校からLOAとPALが発行されたら、オンラインで学生ビザ申請を進めます。学生ビザ申請の詳しい手順はマイルストーンカナダの学生ビザ申請手順をご覧ください。
申請にかかる時間は時期によって変わりますがCheck processing timesにて現在の申請時間が推測出来ます。一般的にギリギリでも入学の2~3ヵ月前、出来ればもっと余裕をもって申請するよう心掛けましょう。
質問・ご相談
カレッジ手続きの質問や学校選びの相談は、まずはマイルストーンカナダへ気軽にお尋ね下さい。