概要
カナダはアメリカや日本と比べ人口や大学の数が少ないにも関わらず、世界の大学ランキングで上位に何校もランクされるなど、高等教育の質の高さで知られている国です。
Times Higher Education世界大学ランキングより
・トロント大学 21位
・ブリティッシュコロンビア大学 41位
・マギル大学 49位
※参考:東京大学29位、京都大学55位
カナダには約100校の大学があり、その8割は公立大学です。(正確には公立81校、私立19校、2024年時点)100大学の分布は、オンタリオ州が23、ケベック州が16、ブリティッシュコロンビア州が11と続いています。ケベック州は国内2位の大学数ですが、その殆どはフランス語の大学です。
一方日本は公立大学100、私立大学600弱と圧倒的に私立が多く、公立・私立のバランスが日本・カナダは全く逆と言う事がわかります。
カナダの大学は多くが公立であるがゆえに、営利に走らず教育の質を重視しやすい環境で、カナダの高等教育の高さを維持する背景にあると言えます。
学位について
カナダの教育システムは州により違いはありますが、高校卒業以降のシステムはケベック州以外ほぼ同様です。
日本では「大学」と言えば学士・修士・博士号を授与するのが一般的ですが、カナダは2年の準学士号やディプロマを提供する学校(主にカレッジ)もあり、提供される学位は多様です。
逆に公立カレッジでもディプロマだけでなく、準学士、4年の学士号を提供する学校もあります。
なお準学士号(Associate Degree)はBC州で設置されている学位で、4年制大学へ単位を移行して編入出来るとされています。
U15
by Group of Canadian Research University
カナダの大学は一般的に研究指向型のリサーチ大学(research university)と、それ以外の大学に分けられます。
リサーチ大学には世界でも知名度の高いマギル大学、トロント大学、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)などが含まれますが、特に有名なのはU15 Groupという連盟に加入する15大学です。この15大学だけでカナダ全体の80%研究を行っていると言われます。
リサーチ大学以外は、卒業後の就労に向けてスキルや実務経験を重視する傾向にあります。
<U15の大学一覧>
- ブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia)
- アルバータ大学(University of Alberta)
- カルガリー大学(University of Calgary)
- サスカチュワン大学(University of Saskatchewan)
- マニトバ大学(University of Manitoba)
- トロント大学(University of Toronto)
- オタワ大学(University of Ottawa)
- クイーンズ大学(Queen’s University)
- マクマスター大学(McMaster University)
- ウォータールー大学(University of Waterloo)
- ウエスタンオンタリオ大学(Western University)
- モントリオール大学(Université de Montréal)
- ラヴァル大学(Université Laval)
- マギル大学(McGill University)
- ダルハウジー大学(Dalhousie University)
教育の質の秘訣
公立大学の手続きや編入システムは「州」毎にある程度の統一性があります。何故ならここで言う「公立」とは実際のところ「州立」のことで、州政府が大学経営に関わっているからです。
教育の基準、質も州が厳しく管理しており、例えばBC州は毎年州政府へ品質管理のレポートを義務付けられており、プログラムの追加・変更なども厳密に審査されます。また通常、州政府だけでなく外部の第三者機関によるレビューが行われる仕組みになっています。
このように公立大学は州政府が積極的に関わる事で学校経営が利益優先に偏りすぎず、厳しい品質基準を維持できるようになっています。
このような背景から、同じ州であれば大学・カレッジの教育格差は殆どないと言われています。
BC州のEQA
BC州はEQA(Education Quality Assuarance)という認定制度があり、公立・私立学校で要件をみたした学校は一定の基準を満たしている事を州が保証します。これは大学・カレッジに限らず、学生ビザ発行が可能なキャリアカレッジ・語学学校も対象です。EQA認定校は公式ページ内のPDFから確認出来ます。
留学生の大学進学
大学進学には、大学へ直接進学(または付属英語コース)だけでなく、カレッジ経由の大学編入も一般的です。
大学編入は日本人に馴染の薄いシステムですが、カナダではごく一般的。例えば公立カレッジへ2年間通い、その後大学の3年次へ編入する、というのがよくある流れです。
編入が出来るカレッジには通常大学編入プログラム(Universtiy Transfer Program:通称UT)が用意されています。このプログラムで2年間で学んだ単位が大学の1,2年の同等と認定されれば、大学3年次へ編入出来ます。
留学生だからこその編入
留学生にとって大学編入が人気の理由に、大学の高い学費があげられます。留学生の学費はカナダ人の3倍と言われますが、特に大学は年間学費400~500万円する学校も増えています。一方カレッジは年200万円以下に抑える事も可能で、出費を数百万単位で抑える事が出来ます。
詳しくはカレッジから大学編入のページをご覧ください。
カレッジからUBCへ編入した方の体験談
大学進学の条件
留学生が大学へ直接入学するには、主には英語力と高校の成績が審査されます。一般的な入学基準は以下のとおりです。
▼大学
英語力:IELTS6.5~7.0/TOEFLiBT88〜100
成績:GPA4.0(5段階)など。名門校は実質4.5が平均とも言われます
その他:エッセイ、推薦状、インタビューが行われるケースもあります
▼カレッジ(参考)
英語力:IELTS6.0~6.5/TOEFLiBT78〜88
成績:C+以上/60%以上/5段階評価中3以上など
ご相談
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